プレゼンテーションやセミナーは、アイデアを伝え、共感を呼び、ビジネスを推進するための重要な手段です。しかし、その準備には多大な時間と労力を要し、多くのビジネスパーソンにとって負担となっているのではないでしょうか。
この課題に対し、私たちは「生成AI」がどこまでプレゼン準備を支援できるのか、その可能性を探る実証実験を行いました。本記事では、この革新的なアプローチと、そこから見えてきた生成AI活用の未来についてご紹介します。
プレゼン準備の常識を覆す!AIを活用した新ワークフロー
今回の実証実験では、プレゼン準備の全工程を細分化し、それぞれの段階で生成AIの能力を最大限に引き出すための新しいワークフローを設計しました 。
1. テーマ設定:人間の専門性とAIの可能性の融合
まず、プレゼンのテーマ設定は人間が行います 。これは、ファクトチェックの精度を高めるため、人間が一定のスキルを持つテーマを選ぶべきであるからです 。今回は「NoteBookLM」の活用方法を社員に広めること」をテーマに設定しました 。

2. 構成の自動生成:AIが骨子を素早く作成
次に、プレゼンの構成をAIが作成します 。これにより、初期段階でのアイデア出しや骨子の作成時間を大幅に短縮することが可能になります 。

3. シナリオ(台本)作成:構成から具体的な言葉へ
AIが作成した構成を基に、さらに詳細なプレゼンシナリオ(台本)もAIに生成させます 。これにより、伝えたい内容が具体的な言葉としてアウトプットされ、スムーズなコンテンツ作成に繋がります。

4. スライドコンテンツ生成:視覚的なアウトプットまでAIが支援
構成とシナリオをコンテキストとして、プレゼンコンテンツ(スライド)の原案もAIに作成させます 。視覚的な要素の作成もAIによる支援で、プレゼン全体の完成度を効率的に高めることができます。
*このアウトプットを「Gamma」など、スライド生成が得意な生成AIサービスにインプットします。

5. 模擬プレゼン:AIによる実践的なフィードバック
そして、最も注目すべきは、AIによる模擬プレゼンです 。マルチモーダル系のLLMを活用することで、模範的なプレゼンをAIが行い、音声データとして出力することもできます 。これにより、本番さながらの状況で自身のプレゼンを客観的に評価し、改善点を見つけることができます。
*ここではGemini AI StudioでGemini Live系のLLMを活用しました。

6. 最終調整:人間による磨き上げ
AIによる模擬プレゼンを参考に、人間が最終的なプレゼン練習を行い、本番に備えます 。AIを使う者の責任である「ファクトチェック」もお忘れなく!

Google AI Studioと最新LLMを活用
本実証実験では、有能なGemini検証環境を提供してくれるGoogle AI Studio、Gemini 2.5 Flashなどの最新LLMを活用しました 。LLMの急速な発展が人とAIのスムーズな連携を実現しているということでしょう。今回の検証から、人とAIの協業のあるべき姿がみえてきます。
まとめ ~生成AIが拓くDXの未来~
今回の実証実験を通して、生成AIをプレゼン準備の各工程に適用することで、驚くべき生産性を生み出すことが明らかになりました。企画の骨子作成から、具体的なシナリオ、スライドコンテンツの生成、さらには模擬プレゼンまで。AIが人間と協調することで、これまで多くの時間と労力を要した作業が劇的に効率化されます。
私たちは、このような生成AIの導入支援や、それを通じた企業全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に、戦略立案から実行まで伴走する事業を行っております。貴社のビジネスにおける生成AIの活用、DX導入とその継続な取り組みにご興味がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
2025.7 株式会社ビーライン CS本部
*この記事のイラスト画像は生成AIで作成したものを利用しています。